過去の日本の大地震の報道を見る

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3月11日の地震により過去に日本を襲った地震が注目されるようになった。幕末から大正時代までに日本で発生した大地震は次の通りだ。

1854年12月23日:安政東海地震
1854年12月24日:安政南海地震
1855年11月11日:安政江戸地震
1891年10月28日:濃尾地震
1896年6月15日:明治三陸地震
1911年6月15日:喜界島地震
1923年9月1日:関東大震災

これらの地震をタイムズ紙はどう報道しただろうか。まず、安政三大地震と呼ばれる東海・南海・江戸地震については、東海地震だけを報じている。ほぼ一年後の1855年12月15日の記事だ。「日本の地震-通信員から」というこの記事は、下田でこの地震を体験したロシア軍艦ディアナ号の航海日誌を英訳して掲載したものだ。津波が数回にわたりディアナ号を襲い、混乱の中で乗組員が必死で対応する様子がほとんど十五分刻みで克明に記録されている。

1891年の濃尾地震は発生の二日後の10月30日にロイター通信社からの横浜発の情報として「日本の恐るべき地震」という見出しで報道している。記事では、詳細は分からないとしながらも、大阪と神戸の被害が大きいと報じている。神戸に多くの外国人が居住していたことも原因の一つであろうが、この地震はタイムズ紙の大きな関心を引いたと見えて、新しい情報が入るたびに続報が出た。義捐金や支援物資に関する記事や正確な事実を伝えようとする日本の外交書記官からの投書も見られ、新聞における近代的な地震報道の原型を見ることが出来る。

すでにこの頃には、記事の中に「地震と火山の国の日本」という表現が見られ、この地震が起きる四年前に設立された日本地震学会の設立についても、大きく紹介している。タイムズ紙の濃尾地震報道はイギリス人が日本と地震を結びつけることに大きな効果を及ぼしたに違いない。

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