読者の反対意見に押されるかのように、タイムズ紙はハイドパーク会場案に反対した

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ハイドパークを万博会場とする計画には議会でも反対の声が挙がっていたことが、タイムズ紙で報道されている。また、一般市民の反対意見がタイムズ紙に届けられ、投書欄に掲載されるようになった。反対の主な理由は、メイン会場の建設に際して公園の樹木を伐採することはないという政府の説明に反して、樹木を伐採する方向で計画が進んでいるということだ。ハイドパークの住人と称する読者からの反対意見も掲載されている。

これらの読者の声に押されるかのように、反対の声を挙げたのが6月25日の社説だ。

「ブースが建設される公園の敷地だけが博覧会計画の影響を受けると考えるのは馬鹿げている。ハイドパークの全体が、我々の予想ではケンジントン・ガーデンの全体も、博覧会が開催される期間、ロンドン中の浮浪者の溜り場と化すであろう。女王の戴冠式の期間中及びその直後にハイド―パークが人々に見せつけた光景を誰も忘れてはいまい。芝生が踏み躙られ、公園全体が喧騒の場所と化し、あらゆる類の悪臭がただよい我々を襲ったことを。戴冠式との相違は、今回はこのひどい光景が数日ではなく数ヵ月続くことだ。ハイドパークは外観を損ない、修復するのに数年を要するだろう。」

さらに公園周辺住民が迷惑を蒙るため、郊外に転居するかも知れないことを挙げながら、博覧会会場の変更を主張するタイムズ紙は、まさにロンドン市民の立場から声を挙げたと言える。二日後の6月27日の社説でも会場変更論を展開し、物資の輸送や人の移動を考えれば水路沿いの会場を選ぶべきだとして、変更先としてロンドン南西部のバタシーを提案している。

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