普仏戦争は、タイムズ紙が歴史の表舞台に登場した戦争の一つである

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タイムズ紙に独占的に掲載されたベルギーを巡る普仏間の密約は、イギリス内外に大きな反響をもたらした。ベルギーは1839年の条約の下で国際的に中立を保障されていた。先進工業国イギリスにとってベルギーは鉄道を敷設するための重要な国である。そのベルギーがフランス支配下に置かれることは国益に反する。

タイムズ紙の記事はその信憑性も疑われたようだ。議会でも取り上げられた。当然のことながら、フランスのメディアはこれを否定しようと最大限の努力を払った。ところが、驚くべきことに、当のタイムズ紙にフランス首相オリヴィエの書簡が掲載され、記事の信憑性を真っ向から否定したのである。この書簡がタイムズ紙に掲載された経緯は不明だが、どうやら主筆ディレーンに無断で掲載されたらしい。

疑う声も多かった文書であるが、その信憑性は次第に確かなものと考えられるようになった。イギリス国内では、議会の内外で高まる声に押されるような形で、政府は交戦中のプロイセンとフランス両国とベルギーを巡る交渉を開始し、ベルギーの中立維持を貫いた。

それにしても、タイムズ紙の歴史を振り返ると、平時もさることながら戦時にそのプレゼンスが高まることに気付く。普仏戦争以前ではクリミア戦争が有名だが、普仏戦争以後も幾つか例を挙げることは出来る。普仏戦争は、タイムズ紙が歴史の表舞台に登場した戦争の一つとして記憶されるだろう。

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