万国博覧会場のイギリス人の眼に映った日本使節団一行は・・・

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タイムズ紙が遣欧使節団を大きく報道したのは、数年前に開国したばかりの日本から遠くイギリスへ派遣される使節団への関心が高かったのは言うまでもないが、使節団がイギリスを訪問したのと同じ頃イギリスで大きな行事が開かれていたことも大きかったであろう。万国博覧会である。クリスタル・パレスで有名な1851年の第一回万国博覧会に続く、ロンドンで開催された二回目の万国博覧会である。この後日本はパリ、ウィーン、シカゴなど万国博覧会に出展し、日本の技芸や文化に対する欧米人の関心を高めたことはよく知られている。

1862年の博覧会は日本人が経験した初めての万国博覧会という歴史的意義を持つ。因みに、”Exhibition”に「博覧会」という日本語を当てたのは使節団の一員、福沢諭吉である。

万国博覧会の開幕は5月1日、使節団がイギリスに到着した翌日だ。日本使節団は開幕初日に博覧会場に足を運んだ。開会式に各国使節団が招待されたためだ。開幕を報じる2日のタイムズ紙の記事では、「会場ではハイチ使節団と日本使節団が人々の一番大きな注目を浴びた。とりわけ、入念に武器を身に着けている日本使節団一行は、他国の使節団と際立った相違を見せていた。彼らの礼法に則ったやり方であることを認めるにしても、平和の祭典の場にあってどこか場違いな印象を与えていた。」と、刀を帯びる日本使節団一行の特異な姿が与える印象を伝えている。おそらくこれは、万博会場のイギリス人の多くが抱いた感覚を代弁したのだろう。ほとんどのイギリス人はこの時、日本人を初めて直に眼にした。その意味で、この記事は短いながらも、普通のイギリス人による日本人との初めての出会いを証言するものである。

(「博覧会場の日本使節団」, Illustrated London News 1862年5月24日)

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