タイムズ紙は広告収入というビジネスモデルを先導した

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最先端の印刷機を取り入れたことは、タイムズ紙にどのような効果を与えたのだろうか。販売部数が以後増加することになった。ケーニヒの印刷機を導入した頃は約5,000部だった部数が、1820年代に入る頃はその2倍の10,000部になった。また、広告の掲載件数が多くなり、当時の新聞が政府や政党からの補助金に依存して経営されていたのが、補助金に依存しない経営が可能になり、政府や政党から政治的にも経済的にも独立することが可能になった。

新聞の経営が購読料と広告収入で成り立っているのは現在では普通である。そして、インターネットを通じた情報の流通がこのビジネスモデルを岐路に立たせている。新聞は先駆的なものも含めれば、四百年以上の歴史を有するが、広告を基盤に運営するという新聞のビジネスモデルが生まれたのは二百年前に過ぎない。そして、このビジネスモデルはタイムズ紙が先導したと言っても過言ではない。

新聞と言えばとかく記事だけに目が行きがちだが、新聞広告もその時代を映す大切な鏡である。広告から当時の人々の欲望を探ることもできよう。広報宣伝という視点からもタイムズ紙は有益な情報を提供してくれるだろう。

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