タイムズは情報の早さでも他を圧した

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19世紀は交通と通信が発達した時代だ。新聞は遠方の出来事を他紙に先駆けて報道することに鎬を削った。海外に多くの領土を持っていたイギリスの新聞にとっては、とりわけ情報の早さが重要な意味を持った。そして、この点においても、時代を一歩も二歩も先んじていたのがタイムズ紙だった。

タイムズ紙の情報が早かったのは、各地の特派員と代理人と汽船から構成された独自の通信網を備えていたことによるもので、これはイギリスの他の新聞ではなく政府の通信網すら凌いでいたと言われる。一つ例を挙げると、インドで反英騒擾が発生した時、不測の事態が起こり政府系の通信網が途絶えたが、最終的にイギリス国内に情報が届けられたのは、タイムズ紙が運営する汽船に運ばれてのことだった。政府を支援した形のタイムズ紙は、この情報を政府から入手し、独占的に報道するという栄誉に浴した。

政府系の情報網が入手していないような情報まで素早く入手するタイムズ紙は、政府の要人からも重宝がられ、タイムズ紙が彼らとの人脈を築く上で役に立った。また、東洋の商品の最新の市場価格を他紙に先駆けて伝えるタイムズ紙は、シティーでもその声価を高めることになった。

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