クリミア戦争③

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クリミア戦争は、ナイチンゲールが従軍看護婦として負傷兵の看護にあたった戦争としても知られているが、ナイチンゲールが従軍看護婦として戦地に赴くことになったのは、実はタイムズ紙の報道が契機だった。タイムズ紙は戦地に従軍特派員を送っていたが、戦地における医療物資の不足と医療環境の劣悪を明らかにし、救援を訴える特派員の記事が掲載されると、ロバート・ピールのような政界の大物を筆頭に、大量の義捐金や救援物資が集まり、ナイチンゲールら従軍看護婦が戦地に赴くことになった。集まった義捐金で作られた基金を運営管理したのも、義捐金を戦地に運んだのもタイムズ紙あるいはその関係者であった。

このようにクリミア戦争における義捐金、救援物資の管理運営、後方医療サービスの改革にタイムズ紙は積極的に関与し、政府をも動かしたが、政府の方はタイムズ紙が告発した実態を調査するために、調査委員会を戦地に派遣した。政府の本音としては、タイムズ紙の告発が誇張であることを示すことでその信用を失墜する狙いもあったようだが、調査委員会の報告は、タイムズ紙の報道を正当化する結果に終わったに過ぎない。

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