経済白書や経済報告書としても読めるエコノミスト

Permalink to 経済白書や経済報告書としても読めるエコノミスト

前回、エコノミストが定期的にサプルメントを収録したという話をした。具体的に、サプルメント名を挙げると以下の通りになる。

・Accounts Relating to Trade and Navigator of the United Kingdom (1845年3月22日号以降、月刊、後に年刊)

・Reports of Joint Banks of the United Kingdom (1861年4月6日号以降、年二回刊)

・Commercial History and Review (1864年2月20日号以降、年刊)

・Investor’s Monthly Manual(1864年以降)

・Insurance Supplement (1923年7月14日号以降、年刊)

この中の”Commercial History and Review”を取り上げると、これは前の年の貿易、物価、商品市場、債券市場、海外市場の動向などについて、統計データを交えて詳細に報告するものである。そして、毎回冒頭で、概況が語られる。最初の号、1864年2月20日の号の冒頭部分は以下のようになっている。「(前年の)1863年の経済は、主として三つの原因に起因するものだった。一つは、有限責任の原理が広範囲に適用されたこと、二つ目は綿花供給地がアメリカからインド、エジプト、ブラジル等に移ったこと、三つ目はデンマーク王逝去に伴う混乱である。」綿花供給地の変化は、以前に触れた綿花飢饉によって起こったことだ。冒頭の概況だけ読んでも、その時代の経済の状況が同時代人の眼で描かれていて、貴重である。

ところで、前の年の経済の概況を統計データを交えて報告するというこのやり方だが、現在で言えば、経済白書に相当するだろう。そうなのだ、エコノミストの”Commercial History and Review”はこの時代のイギリスを中心とする国際経済の白書みたいなものだ。また、これ以外の金融、通商、財政、保険等を扱うサプルメントは、現在で言えば、政府や民間機関が発行する各種報告書である。エコノミストは通常の新聞記事に加え、現在で言うところの経済白書や経済報告書の類のものも掲載しているのだ。

図書館のレファレンス担当者であれば、どの国であれ、どの時代であれ「経済白書のようなものを探しているのですが・・・」という利用者の問い合わせを受けることはあるだろう。19世紀半ばから20世紀までのイギリスを中心とする国際経済については、まさにエコノミストが格好の資料なのだ。

tThe Economist 物語一覧へ戻る

短縮URLを共有する:

*短縮URL[たんしゅくユーアールエル]

とは、長い文字列のURLを短くしたものである。リダイレクトを利用して本来の長いURLに接続する。 例えば、 http://ja.wikipedia.org/wiki/短縮URL のページは、Google URL Shortenerを利用した場合、 http://goo.gl/OCZXl と短縮できる。また「p.tl」ならば、さらに短縮され http://p.tl/aIAn となる。

*Wikipedia