エコノミストは鉄道投機熱から距離を置き、統計データの提供に徹した

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エコノミスト創刊の翌年に議会に提出された鉄道法案は、鉄道の運賃や利潤を政府が規制するなど、実質的に鉄道の国有化を目論んでいた。ウィルソンは早速、7月6日号の社説「グラッドストーン氏の鉄道法案」でこれを批判した。「実務と事実を重んじる我が国の通商を管轄する組織のトップに、形而上学的思弁と抽象的思弁を弄する才知に長けた人物を戴くとは、誠に奇妙なことである。」と始まるその批判は、事実を示しながら、民間のことは民間に任せよと主張する。二週間後の7月20日の社説でも再度この法案を取り上げている。最終的にこの法案は骨抜きにされ、国有化は回避された。ウィルソンの期待通りになったのである。

だが、ウィルソンの批判の矛先は政府だけに止まらなかった。グラッドストーンの法案が提出されたそもそもの原因は鉄道を巡る投機にあった。投機こそが政府の不要な規制を招く、そう考えたウィルソンは、鉄道投機熱を煽るだけ煽った鉄道関連雑誌とは一線を画し、鉄道株や投資に関する正確な情報を提供することを使命と考え、「鉄道モニター(Railway Monitor)」という欄を新設し、エコノミストのサブタイトルにもこの語を加えることに決めた。

その後、「鉄道モニター」欄は1870年まで独立した欄として情報提供を続け、役割を終えた。サブタイトルから「鉄道モニター」が消えたのは1934年である。鉄道投機熱から距離を置きつつ客観的なデータを提供し続けたエコノミストは、十九世紀イギリス鉄道史の統計アルマナックと呼ぶことができるだろう。

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