第二次大戦前夜の1938年に創刊され1957年に休刊した英国のPicture Post(PP)は、発行期間の短さにもかかわらず、ほぼ同じ時期に創刊された米国のLifeと並び、20世紀の写真ジャーナリズムの歴史にその名前が大きく刻まれています。
ファシズムとの戦いという熱い政治の季節に生まれたPPは、リベラル左派の政治的スタンスと写真を雑誌の中心に据える斬新なスタイルを融合させ、創刊後わずか半年の間に発行部数170万部に及び、第二次大戦中はイギリス人の5人に4人が同誌を読んでいたと言われるほどの大衆的成功を収めるに至りました。ドイツにおけるユダヤ人迫害、イギリスの社会保障構想、朝鮮戦争時の政治犯の取り扱いなど、ホットな話題にシャープに切り込み、テレビが登場する以前の時代にあって、人々が世界の出来事に視覚的に接近する窓としての役割を果たしたのがPPです。
第二次大戦が終わると再び自由が訪れ、全く新しい文化が息吹き始めます。第一級の写真家の眼を通して写し撮られた若者文化や大衆文化の諸相は、PPの誌面の中でも最も躍動感に溢れています。デジタルアーカイブの制作に際しては、オリジナル原本から直接デジタイズしていますので、原本のカラーも忠実に再現しています。写真ジャーナリズムが新しかった時代の息吹をお楽しみください。
詳しくはお問い合わせくださいu