新聞を根本的に変えた人物-ノースクリフ卿

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イギリスの新聞の歴史の中で、デイリー・メールの創業者、ノースクリフ卿ほどの巨大な存在を探すのは容易ではありません。あのタイムズの歴代の社主でさえ、ノースクリフ卿ほどの影響力を持ちませんでした。その影響力の大きさは、しばしば「ノースクリフ革命」と呼ばれるほどです。ウィンストン・チャーチルは「デイリー・メールが創刊された時、歴史の新しいページが始まり、それまでの古いジャーナリズムからは眼を背けていた数百万の人々が新聞の読者になったのだ。」と言っています。

それでは、ノースクリフ革命とは何だったのでしょうか。それ以前の19世紀の新聞は、発行部数が少なく、事業としても小規模なものでした。タイムズの最盛期の発行部数はわずか5万部です。ところが20世紀になると、デイリー・メールをはじめ発行部数が100万部を超える新聞が出てきます。また、自社の株式を一般に公募したのは、新聞業界の中ではノースクリフ卿が最初です。近代的な事業としての新聞の誕生です。こうなると、少数の読者を相手に世論を導くという古典的な図式は成り立ちにくくなり、他の事業と同様、収益の追求という側面が大きく出てきます。全国的な配送体制が整備された結果、ロンドンの新聞が全国紙として地方に行き渡り、そのあおりを受けた地方紙の廃刊が相次ぎ、また、新聞の販売競争が激しくなるのも、ノースクリフ革命の一環です。この時以来、イギリスの新聞は、発行部数が少なく広告収入に依存する真面目で堅い内容の高級紙と、販売競争に鎬を削り、読者が興味を持ちそうな記事を載せる大衆紙に大きく分かれてゆきます。

大衆社会の到来を敏感に感じ取り、新しい時代に相応しい新聞のあり方を模索して、記事の内容やスタイルから新聞の経営まで、新聞というものを根本的に変えてしまった人物-それが、ノースクリフ卿です。そして、現代の新聞は依然として、ノースクリフ卿が幕を切って落とした舞台の上で演じていると言えるかもしれません。

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